第一テモテ6:11~21から、「神の人よ」という題でポイントを3つ上げていきます。
①「神の人よ」…11節で、神の人は「正しさ、敬虔、信仰、愛、忍耐、柔和」を熱心に求めなさい、と言っています。この世は進化論を前提とした世界観が幅をきかせていて、何でも競争し、勝ち残った者を称賛するという傾向があります。同じ仙台市内で、創造論伝道師として用いられているT牧師は「共生(きょうせい)こそ創造主のご計画です。創造主の作品には優劣はない。共生するように創造されている」と言っています。他人(ひと)を押しのけ、他人よりも上に立ち、利得だけを目的とするような世界観ではなく、人を助け、人と共生していく世界観を教えているのが聖書です。そして12節では「信仰の戦いを勇敢に戦い、永遠のいのちを獲得しなさい」とあります。私たちは、この世に生きている限り、楽なことばかりではありません。ローマ5:4には「忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。」とあります。忍耐しなければならないことがありますが、それは、次の祝福への道となると信じましょう。
②「神は祝福に満ちた唯一の主権者」…14節では「私たちの主イエス・キリストの現れの時まで、あなたは命令を守り、傷のない、非難されるところのない者でありなさい。」とあります。キリストの現われの時とは再臨のことです。再臨の前提となるのは、不法の人、滅びの子と言われる人物が現れた後のことになるでしょう。今は、まだその人物は現われていませんが、ウクライナ戦争や異常気象など、世界が混沌としている状況は、その舞台が整いつつあると言えます。実際に不法の人が現われたら、一気に再臨が現実味を帯びてくるでしょう。創世記5章で登場するエノクは、65歳で、メトシェラ(「彼が死ぬとき、それが始まった」の意…メトシェラはノアの大洪水の年に死んだ)が生まれ、その後300年間、神と共に歩み、死を見ることなく生きたままで天に上げられました。私たちもキリストの再臨を待ち望み、エノクのように空中携挙に与る者とされましょう。神は私たちを祝福しようとしておられます。ヘブル11:6には「信仰がなくては、神に喜ばれることはできません。神に近づく者は、神がおられることと、神を求める者には報いてくださる方であることとを、信じなければならないのです。」とあります。神に喜んでいただけるような信仰の人でありたいと思います。
③「神に望みを置くように」…世の富や財産を所有しているとすれば、それは無いよりはあるほうが良いと言えますが、無ければ失う心配はありません。必要な時に間に合う程度に持っているのがベストかもしれませんね。17節では、「頼りにならない富に望みを置かないようにしなさい」と言っています。それよりも、全てのものを豊かに与えて楽しませてくださる神に望みを置いて過ごしましょう。そして、18節にありますように、人の益を計り、良い行ないに富み、惜しまずに施し、喜んで分け与える者になりましょう。そして、19節のように、未来に備え、良い基礎を自分自身のために築き上げるようにしましょう。20節では「霊知」ということばが使われていますが、2017年訳では「知識」です。英語の聖書ではknowledgeで、やはり、「知識」の訳で良いと思います。この世の知識において、科学的に証明されているもの、学問的にきちんと裏付けられた知識なら別ですが、そうではない推定や仮説などによる知識を、科学や正当な学問と混同すべきではないでしょう。私たちは、聖書のみことばに、信仰の土台を据えて、そこに立ち続け、何より、神の恵み、キリストの十字架の救いによる恵みから外れることがないようにしましょう。