●2025年10月12日(日)礼拝メッセージ要旨 

創世記42:1~38からです。エジプトのヨセフのもとに、カナンの地から兄たちが穀物を買いに来ます。そして、いよいよ因縁の再会となりますが、すんなりとは行きません。今回もポイント三つ上げていきます。

1.「兄たちと気づくヨセフ」…当時、世界中が飢饉の中、エジプトはヨセフの指揮の下に、穀物を「海の砂のように」と表現するほど蓄えていました。そういう中で、カナンの地からヨセフの兄たちが穀物を求めてやってきたのです。ヨセフは兄たちに応対して、彼らが自分の兄たちであることは分かりましたが、兄たちにはヨセフだと分かりませんでした。ヨセフは自分の前にひれ伏している兄たちを見て、かつて父の家で見た夢を思い出しました。正に人生の逆転劇です。ここでヨセフは、簡単に自分が弟のヨセフであるということを明かすことはせず、兄たちに対して「あなたがたは間者(スパイ)だ」と言います。このヨセフの対応について、どうなのでしょう。これは、かつて殺されそうになり、穴に投げ込まれて奴隷として自分を売った兄たちに対する報復なのか、それとも兄たちに悔い改めを促すためにしたのか不明です。ローマ12:17には「だれに対してでも、悪に悪を報いることをせず、すべての人が良いと思うことを図りなさい。」とありますが、ヨセフの対応は必ずしも報復とは言えず、兄たちのためを思ってのことだったのかもしれません。今日(こんにち)の私たちも様々な局面に立たされることがあるでしょうが、まず、聖書のみことばに従い、聖霊の導きを仰ぎつつ歩んで行きたいと思います。

2.「末の弟を連れて来なさい」…ヨセフは兄たちを三日間監禁したあと彼らに対して「一人を監禁しておいて、あとの9人は穀物を運び、そのあとで末の弟(ベニヤミン)を連れてくればあなたがたを信用し、エジプトを自由に出入りできる」と言います。兄たちはそれに従うことになります。そのとき彼らは、「かつてヨセフに対して酷いことをした報いを今受けているのだ」ということを話していると、そのことがヨセフの耳に入り、ヨセフは席を外して泣きます。この涙は何でしょう。奴隷として売られて苦しんだ自分のことを思い出したのか?それとも兄たちの心情に感極まったのか?結局シメオンがとられて監禁されます。上からルベン、シメオン、レビ、ユダのうち、ルベンとユダはヨセフを殺すことには強く反対しています。創世記34章でシメオンとレビは、割礼直後で苦しんでいるシェケムの人々を襲い略奪するという凶行の過去があります。ですから、たぶん、ヨセフは兄たちの内で最も横暴なシメオンを選んで監禁したのでしょう。

3.「父ヤコブのもとに戻る」…シメオンを除く9人の兄たちは、カナンに向かいます。途中、一人が宿泊所でロバに飼料を与えようとして袋を開けると、自分の銀が戻っているので、皆は心配し身を震わせました。そして、カナンの父の元に帰り、袋を開けると全員の袋の中に、銀が戻っているので益々恐れることになりました。これは、ヨセフが兄たちに対して本当に正直者かどうかをテストした側面もあったのかもしれませんが、親族の彼らからはお金は受け取らなかったということでしょう。本来ならば、兄たちは何も恐れることなく、ヨセフの恩情に感謝し、喜んでいればよいところなのですが、過去の経緯(いきさつ)もあり、ヨセフとしても全てをすぐに明らかにしなかったのです。ヨハネ8:23には「そして、あなたがたは真理を知り、真理はあなたがたを自由にします。」とありますが、逆に真理に背いて罪と悪の道を歩めば、不自由と恐怖に捕らえられるでしょう。今日、私たちはいつでも真理である聖書のみことばに従い、霊的自由と喜びのうちを歩んでまいりましょう。

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