創世記11:1~32からです。前週の10章では、ヤペテ、ハム、セムの順で、それぞれの子孫の動向が語られていました。この11章では、時系列的には振り返る形で、まだ人々が世界に分散する前の状態から始まっています。今回もポイント3つ上げていきます。
1.「塔を建て、名を上げよう」…10章では、地上で最初の権力者であるニムロデの名が上がっていました。この11章ではニムロデの名は出て来ませんが、そのニムロデが人々を統率していた可能性は強いと思われます。4節でニムロデか、またはそのような人物が「さあ、われわれは町を建て、頂が天に届く塔を建て、名をあげよう。われわれが全地に散らされるといけないから。」と言っています。しかし、このとき、真の神は人間の建てた町と塔をご覧になるために降りて来られ、それを止めようとされています。21世紀に入った今日の世界において、現在、世界で最も高い建物はドバイにあるブルジュ・ハリハという建物で828mです。第二位はマレーシア・クアラルンプールのムルデカ118という建物で679mです。第三位は上海タワーで632mです。やはり、それぞれ、建設する時には、競争意識や話題性などを多分に計算に入れていることでしょう。それが是か非かは分かりませんが、ローマ12:2では「この世と調子を合わせてはいけません。いや、むしろ、神のみこころは何か、すなわち、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変えなさい。」とあります。私たちは、全知全能の神を第一にして、その神のみこころを求め、自分自身を神のみこころに合わせていきましょう。
2.「その町の名はバベル」…天から降りて来られた主なる神は、人々の言葉を混乱させ、意志疎通を出来なくさせたので、彼らは全面に散らされ塔を建てるのを止めました。そこで、その町の名はバベル(混乱させる)と呼ばれるようになりました。当時の年代はBC2200~2300年頃のことです。そして、この後、BC600年頃になってバビロニアという国がユダ王国を滅ぼし、いわゆるバビロン捕囚がありました。さらに、AD90年頃になってヨハネによって記された黙示録14:8では「大バビロンは倒れた。倒れた。激しい御怒りを引き起こすその不品行のぶどう酒を、すべての国々の民に飲ませた者。」と、聖書では、バベルの塔から始まって、「バビロン」は権勢を誇りながらも罪のゆえに、滅びる象徴的勢力として出てきます。さて、今日、一般的(この世的)な世界史では、聖書の記述は無視される傾向にありますが、聖書の記事と、実際の歴史は矛盾することはありません。使徒17:26には「神は、ひとりの人からすべての国の人々を造り出して、地の全面に住まわせ、それぞれに決められた時代と、その住まいの境界とをお定めになりました。」とあります。正に、創造主である神が、この世界を創造し、地の前面に人を住まわせ、今日に至っているのです。この創造主なる神と仲介者として世に遣わされたイエス・キリストの御名を呼び求め、この方と共に歩んでまいりましょう。
3.「セム、テラ、アブラム」…アダムから10代目はノア、ノアから10代目はテラです。テラは最初、息子のアブラムたちを伴い、カナンを目指してウルを出発したものの、ハランに住みつきます。しかし、ヨシュア記24:2でヨシュアは「イスラエルの神、【主】はこう仰せられる。『あなたがたの先祖たち、アブラハムの父で、ナホルの父でもあるテラは、昔、ユーフラテス川の向こうに住んでおり、ほかの神々に仕えていた。」と言っています。テラの息子アブラムは神を恐れ、後の神の民にとっては信仰の父と言われるほどになったのに、なぜテラは他の神々に仕えたのでしょう。Ⅰヨハネ5:21には「子どもたちよ。偶像を警戒しなさい。」とあります。人の手によって製作された偶像を拝むことほど愚かなことはありません。また、不品行は偶像礼拝でもあります。今日、私たちも偶像を警戒し、救い主イエス・キリストの神を信じる信仰を全うしようではありませんか。