●2023年9月3日(日)礼拝メッセージ要旨  

本日はヤコブの手紙2:1~13から、「人をえこひいきしない」という題でポント3つ上げていきます。

1.人をえこひいきしない…誰でも、小学校や中学校時代のことを直ぐに思い出すことはできるでしょう。担任の先生が特定の児童、生徒をえこひいきするという、そんな思い出を持っている人もいるかもしれません。逆に、誰に対しても公平な良い先生が担任だったという人もいるかもしれません。ここでヤコブは、教会においては、そういった、人をえこひいきするようなことはあってはならない、と言っています。社会的な身分の高い人を厚遇し、そうでない人に対しては冷遇するようなことはイエス・キリストを信じる者にとっては全くふさわしくありません。明治初期、自由民権運動に尽力した板垣退助と共に活動した片岡健吉(1844~1903)という人がいます。片岡氏は、四国の高知出身で、洗礼を受けクリスチャンとなり、衆議院議長も歴任しました。教会では長老の立場で神に仕え、玄関番をし、履物を並べ、新来会者に対して親切に案内したということです。それは、イエス・キリストの内に見られます。キリストは弟子の足を洗い、見下された人々の友となられました。また逆に、パリサイ人や律法学者たちのように自分を高くしている人々に対しては、へつらうようなことはしませんでした。

2.信仰に富む者…5節に「神はこの世の貧しい人たちを選んで信仰に富む者とし」とあります。聖書で「貧しい」と表現するとき、それは、必ずしも経済的な貧しさのみを言っているのではありません。マタイ5:3には「心の貧しい者は幸いです。天の御国はその人たちのものだから。」とあり、イザヤ57:15には「いと高くあがめられ、永遠の住まいに住み、その名を聖ととなえられる方が、こう仰せられる。『わたしは、高く聖なる所に住み、心砕かれて、へりくだった人とともに住む。へりくだった人の霊を生かし、砕かれた人の心を生かすためである。』」とあります。「心の貧しい者」とは心砕かれ、謙虚な心を持つ人のことを暗示しているようです。ところで、楽器や音響機器などのネット通信販売で業績を上げているサウンドハウスという会社があります。創業者は中島さんというクリスチャンの方です。そのサウンドハウスに、当教会でも細々としたものを時折注文しますが、安くて良い商品を実に手早く手配してくれます。本社は千葉県にあるのですが、最近、女川町に営業所を設けました。女川町は3.11大震災に見舞われた地で、原発もあります。当然、住民も減り、学校は統廃合しています。そんな女川町に創業者の中島さんが何か縁があったということで、廃校となった中学校を建物ごと買い受け、そこを倉庫と店舗にし、雇用を創設し、また地域の子供さんたちのために音楽教室などを開催しているようです。一企業として、ただ利潤追求だけではなく、社会貢献ということも視野に入れておられるのでしょう。イエス・キリストは、故郷のナザレの会堂で「神である主の霊が、わたしの上にある。【主】はわたしに油をそそぎ、貧しい者に良い知らせを伝え、心の傷ついた者をいやすために、わたしを遣わされた。~」と書いてあるイザヤ61:1を読まれ、「この聖書のみことばが実現しました」と言われました。私たちも信仰に富む者とされ、神のみこころに仕えていきましょう。

3.自由の律法… 12節の「自由の律法」とはどういう意味でしょう。1:25にも「完全な律法、すなわち自由の律法」とあります。ヨハネ1:17には「というのは、律法はモーセによって与えられ、恵みとまことはイエス・キリストによって実現したからである。」とあり、ヨハネ8:32には「そして、あなたがたは真理を知り、真理はあなたがたを自由にします。」とあります。すなわち、「自由の律法」とは「完全な律法」であり、またそれは「イエス・キリストによって実現した恵みとまこと」であり、「自由をもたらすもの」と言えるでしょう。結局、それらはイエス・キリストを信じる信仰によって働いてくださる聖霊に基づくものです。今、日本の国の政治を思う時、心が暗くなります。しかし、こういう時だからこそ、私たちはみことばと祈りに励み、聖霊の働きに大いに期待しましょう。

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