創世記7:1~24から「箱舟に入りなさい」という題でポイントを3つ上げていきます。
1.「箱船に入りなさい」…ノアが500才のときにセム、ハム、ヤペテが生まれ、その時期に、主がノアに箱舟を造るようにと言われました。そして、その箱舟が完成し、ノアの600才のとき、いよいよ「箱船に入りなさい」と言われます。つまり、ノアの500才から600才の100年間は箱舟建造中だったのです。この期間に何があったのかということは聖書に詳しく記されてはいません。Ⅰペテロ3:20には「昔、ノアの時代に、箱舟が造られていた間、神が忍耐して待っておられたときに、従わなかった霊たちのことです。わずか八人の人々が、この箱舟の中で、水を通って救われたのです。」とあり、まず、箱舟による救いのメッセージが何らかの形で伝えられ、それを知った人々は、それを受け入れなかったということです。Ⅱペテロ3:6~7には「当時の世界は、その水により、洪水におおわれて滅びました。しかし、今の天と地は、同じみことばによって、火に焼かれるためにとっておかれ、不敬虔な者どものさばきと滅びとの日まで、保たれているのです。」とあります。ノアの時代は箱舟に入ることによって救われました。今の時代、箱舟に入るとは創造主である全能の神が遣わされた神のひとり子イエス・キリストを信じ、従うことです。
2.「主は彼のうしろの戸を閉ざされた」…11節には「ノアの生涯の六百年目の第二の月の十七日、その日に、巨大な大いなる水の源が、ことごとく張り裂け、天の水門が開かれた。」とあります。現在、地球の上空には大気圏が取り巻いています。また最近よく聞くオゾン層というものもあり、それが破壊されて地球温暖化が起こっているようです。このノアの大洪水前には、もう一つの何らかの地球を守る大気の層が存在していて、11節の表現を借りると、それが「張り裂けた」のかもしれません。ですから、大洪水の後、地球環境が厳しくなり、何百歳も生きる人がいなくなったのでしょう。さて、ここではノアの家族と動物たちが箱船に入ったあと、16節で「主が彼のうしろの戸を閉ざされた」とあります。「戸を閉ざされた」ということばの中に二つの意味があるでしょう。一つは、箱舟に入った人と生き物を守ったということ。もう一つは、箱舟の外との遮断です。詩篇86:15には「しかし主よ。あなたは、あわれみ深く、情け深い神。怒るのにおそく、恵みとまことに富んでおられます。」とあるように、全能の主は実にあわれみ深く、情け深い方です。百年間も箱舟建造という形を通して、救いの呼びかけがなされてきました。しかし、最後の「戸が閉ざされる」ときが来たのです。私たちは、箱舟の戸の内側に入る者として、主のみことばに従順に聞き従いましょう。
3.「それらは地から消し去られた」…アダムが創造されてからノア600才まで計算しますと1656年です。仮にアダムからキリスト降誕までを4000年としますと、紀元前(BC)2344年に大洪水が起こったことになります。地球規模の大洪水は全てのものを破壊し消滅させますから、人間の歴史の痕跡はBC2344年以前は残っていないでしょう。しかし、一般的なこの世の見解ではノアの大洪水を無視していますし、その証拠も無いとしています。アメリカのアリゾナ州にあるグランドキャニオンは水平の地層が広大に広がっています。そのような水平の地層は世界中のどこにでもあり、高い山にも見られます。また、世界中に分布している化石は生き物が急激に土砂などに埋まり、空気と遮断されないと出来上がりません。要するに、地球規模の大洪水が起きない限り、世界中に見られるグランドキャニオンのような地層も、化石も説明がつきません。この大洪水で、最も高い山にまで水面が到達し、さらに15キュビト(約6.75m)増し加わりました。あのエベレスト山は標高8848mです。物凄い水量です。偉大で絶大な力を持つ全知全能の創造主は、私たち一人一人を覚え、御子イエス様をこの地上に遣わし、十字架による救いを成し遂げられました。今の時代、ノアの時代と重なります。ノアと家族は箱船建造中、きっと嘲笑を受けたことでしょう。マタイ7:13~14には「狭い門から入りなさい。滅びに至る門は大きく、その道は広いからです。そして、そこから入って行く者が多いのです。いのちに至る門は小さく、その道は狭く、それを見いだす者はまれです。」とあります。私たちは、いのちに至る門から入り、いのちにいたる道を進みましょう。